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日産がJAXAと共同実験を行なった三宅島で、月面をテーマにした観光ツアーを実施


12月13日(火)、日産自動車株式会社(以下、日産)が東京都内にて「MOON-TRAIL PROJECT/日産とJAXAの共同研究における初の屋外環境下での実験発表会」を実施した。発表会の中では、日産と三宅島とが協力したツアー「MOON-TRAIL TOURISM」の紹介も行なわれた。

発表会には、まず日産の日本マーケティング本部CMMオフィスチーフマーケティングマネージャー岡部龍太氏が登壇。MOON-TRAIL PROJECTの概要を説明した。

現在、日産は独自の電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」を応用して、JAXAと月面ローバ(月面を移動する探査車)の制御技術に関する共同研究を進めている。

MOON-TRAIL PROJECTでは、月面を思わせる過酷な環境下で「日産エクストレイル e-4ORCE」の有効性を実証するための走行プロジェクトが行なわれた。舞台に選ばれたのは、月面を思わせる地形と地質を有する三宅島だ。

特設サイト(https://www2.nissan.co.jp/SP/X-TRAIL/MOON-TRAIL-PROJECT/)には動画も掲載され、三宅島を走破する「新型日産エクストレイル」の姿を見ることができる。

三宅島の魅力を満喫できるツアー

プロジェクトの舞台となった三宅島の三宅村副村長の吉田稔彦氏も登壇した。三宅島には豊かな自然といった魅力があるものの、それを伝えきれていないという課題があったので、三宅島の魅力を満喫できるツアーを日産と共同で開発したと、吉田氏は語った。

そのツアーが、MOON-TRAIL TOURISMである。ツアーの参加者は12月13日(火)~2023年1月22日(日)の期間にツイッター上で広く募集し、2023年3月4日(土)~5日(日)の1泊2日で実施する。

参加者は自身がハンドルを握っての新型日産エクストレイルの走行体験、月をイメージしたオリジナルメニューのスペシャルディナー、星空の下のドーム基地での天体観測を楽しめる。

日産とJAXAの共同研究

続いて、日産の企画・先行技術開発本部先行車両開発部の伊藤健介氏とJAXAの宇宙探査イノベーションハブの須藤真琢氏が登壇。日産とJAXAの共同研究について説明を行なった。

須藤氏によれば月面での作業のためには、月面を走行する技術が必要とのこと。米国のアポロ計画のときには柔らかな砂地を走行し月面車がスタックしてしまうこともあったという。つまり、月面ローバには砂地でも走破できる機能が要求されるのだ。

日産とJAXAの共同研究テーマは「電動駆動制御による砂地走破性の向上」であり、そこで活用されたのが、日産の電動駆動4輪制御技術e-4ORCEだ。

伊藤氏によればe-4ORCEを応用することで、月面ローバは砂地でもスタックすることなく、なおかつ無駄な電力を消費することもなく、効率的に走行できるのだという。

2022年の夏には、日産とJAXAは三宅島で初となる屋外での共同実験を行なった。月面には玄武岩が存在することが分かっているが、三宅島には玄武岩質の砂地や火山噴火でできた複雑な地形があり、月面に似ている。そのため、月面ローバの実験を行なうには三宅島が最適だったのだ。

今回の共同研究の成果を踏まえて、今後は日産とJAXAは月面探査で必要となる技術を確立しての宇宙利用、e-4ORCEをあらゆるシーンで使える技術へと進化させての地上応用を目指すことも発表した。日産とJAXAによる、宇宙に必要な技術の開発と地上の技術革新の両立に注目したい。

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