
27日投票のイスラエルの総選挙(国会、定数120)を巡り、ヘルツォグ大統領は28日「再選挙を避けるためにあらゆる手を尽くす」と述べた。ネタニヤフ首相中心の与党陣営とアイゼンコット元軍参謀総長を中心としたユダヤ系野党陣営はどちらも過半数を獲得できない見通しだ。ヘルツォグ氏は各党と協議した上で、連立政権樹立の可能性が最も高いと判断した首相候補に組閣を要請するが、ユダヤ系与野党の議席は伯仲しており、難しい判断を迫られそうだ。
主要地元メディアの出口調査によると、与党陣営は51~52議席、ユダヤ系野党は49~51議席と予想されている。アラブ系政党は18~19議席を獲得するとされている。
開票作業は続いており、海外にいる兵士や外交官らの票を集計し、29日午後には全体の開票結果が発表される見通しだ。
組閣に向けた交渉は難航が必至で、再選挙の可能性も帯びている。
イスラエルメディアによると、ネタニヤフ氏が組閣要請を受けた場合、ネタニヤフ氏は野党陣営の右派議員を引き込みたいと考えているという。ただ野党側はネタニヤフ氏の下での連立を否定しており、実現は容易ではない。
一方、アイゼンコット氏が組閣要請を受けた場合は、アラブ系政党などと協力する選択肢がある。だが、アラブ系政党と政権を樹立できたとしても、パレスチナ問題で立場が異なることから短期間で崩壊する恐れがある。その後に選挙した場合はネタニヤフ氏に有利に働く可能性もある。
ネタニヤフ氏は28日、X(ツイッター)で「テロやユダヤ人国家消滅を支持するアラブ系政党によって選挙は盗まれた」と主張。選挙結果に疑義を唱えつつ、アラブ系政党と協力の余地を残す野党陣営を揺さぶっている。【エルサレム松岡大地】
