
GMOインターネットグループが政府に「能動的サイバー防御」の適用を緊急要請したことを受け、政府は発動の要件を満たすかどうかを主体的に判断する方針だ。個別企業の要請による発動は想定していないが、資産や個人情報の流出が広範な被害を招く恐れを含め、事案の重要性や緊急性を慎重に見極めるとみられる。
サイバー攻撃に先手を打って被害を未然に防ぐ能動的サイバー防御の関連法は、1日に施行された。電気・ガス、通信などの基幹・重要インフラのシステムへの攻撃や兆候が確認された際に、警察・自衛隊が攻撃元のサーバーに入り込み、攻撃プログラムを削除するなどして無害化を図る。総合調整や情報収集は国家サイバー統括室(NCO)が担い、発動には第三者機関「サイバー通信情報監理委員会」の事前承認が原則必要となる。
政府高官は取材に、GMOグループは通信事業者でもあるとの認識を示し、防御は「要請を受けて発動するわけではない。あくまで政府として判断する」と強調。発動されれば初の事例となる可能性があるが、「手の内をさらすことにもつながりかねないので、(有無は)公表しない」と述べた。
NCO幹部は「(GMOグループは)重要インフラを担っており、政府として要請を突っぱねることはしないだろう。重大性・緊急性に鑑みて対応を検討していくはずだ」との見方を示した。【高良駿輔、高橋祐貴】
