
パレスチナ自治政府の主流派ファタハ中央委員会のジブリル・ラジューブ事務局長が19日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で記者会見した。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区でユダヤ人入植者による「テロ攻撃」が行われていると訴え、英国などによる入植者への制裁措置に日本も加わるよう求めた。
西岸ではイスラエル政府が違法な入植の拡大を進め、入植者によるパレスチナ人への暴力が激化。英国などの欧州諸国とカナダの12カ国は9月、西岸の入植地との物品貿易を制限すると発表した。
ラジューブ氏は、西岸とガザ地区でイスラエル政府が「住民を苦しめて住み続けるのを諦めさせ、強制移住させようとしている」と指摘。日本政府に対し、入植者と関わりのある組織への制裁実施も訴えた。
ガザのイスラム組織ハマスによる2023年10月の越境攻撃を機に始まったハマスとイスラエル軍の戦闘は25年10月に停戦となったが、イスラエル軍の攻撃は散発的に続いている。ラジューブ氏は和平プロセスの一つであるハマスの武装解除について、エジプトの仲介でハマスや他の派閥との対話を先週始めたと明かした。
一方、トランプ米大統領が主導するガザの暫定統治機関「平和評議会」については「劇的な変化を起こすための道筋さえつけられていない」と疑問視した。
パレスチナ自治政府を巡っては、今年11月に予定されていた議長選と国会に相当する立法評議会選が27年9月に延期された。ラジューブ氏は準備期間が足りなかったと釈明。「イスラエルによるさまざまな障壁と、選挙手続きに関する国民の合意が十分に得られていなかったことが原因になった」と述べた。
中央委はファタハの最高意思決定機関。ラジューブ氏はパレスチナ・サッカー協会会長も務め、東京で開かれるアジア・サッカー連盟の会議に出席するために来日した。【片野裕之】
