
北朝鮮軍が最近、韓国との軍事境界線(MDL)付近で爆発を伴う作業を連日のように行っている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、境界線を難攻不落の「要塞(ようさい)」にすると表明し、有事に備えた戦術道路や防壁の建設、地雷の埋設などを進めている。相次ぐ爆発はその一環とみられる。
MDL付近では9月に韓国軍の幹部3人が北朝鮮のものとみられる地雷の爆発で負傷するなど、緊張が高まっている。
14日午後、韓国北西部・仁川(インチョン)市の喬桐(キョドン)島。漢江(ハンガン)を挟んで約2キロ離れた北朝鮮南西部・開城(ケソン)市郊外で大勢の兵士が作業をしていた。しばらくして「ドーン!」と3回にわたり大きな爆発が起き、煙が空に上がった。
喬桐島の東に位置する江華(カンファ)島でも、相次いで北朝鮮側から爆発音が響いていた。
江華島に住む李在晩(イ・ジェワン)さん(63)は「ほぼ毎日、爆発が起きている。15~20発ほど連続で爆発したこともあった。まるで火山の噴火のようだ」と話した。
金氏は南北の軍事境界線を「国境」と規定し、韓国を「主敵」と位置づける。こうした方針を受け、北朝鮮軍は遅くとも2024年春ごろから「要塞化」の工事を始めた。
毎日新聞は5月、北朝鮮軍が江華島の対岸から10~20キロほど東の漢江沿いで活発に戦術道路の工事を進めているのを確認している。北朝鮮軍は西に向けて工事を進めている模様だ。韓国国防省は、一連の工事が28年までに完了するとみている。【仁川で福岡静哉】
