
78回目を迎える伝統の「東葛飾地方中学校駅伝競走大会」(東葛駅伝、千葉県県教育庁東葛飾教育事務所や毎日新聞社などでつくる実行委員会主催)が17日に開かれる。参加する中学校は東葛6市のほぼ全ての74校で、地域密着の駅伝大会だ。レース本番を前に、注目の中学校を訪ねた。
「伝統校の意地と誇りを襷(たすき)に繋(つな)ぐ!」。決意の一文が我孫子市立我孫子中駅伝部員の練習用Tシャツの背には書かれている。大会最多14回の優勝を誇る強豪校。駅伝部員は、地域の期待を文字通り背負って走る。
我孫子中、強さの秘密は
指導するのは樋口清和監督(63)。我孫子中で5回、我孫子市立白山中で2回と計7回の優勝を誇る。しかし、名指導者ではないのだ、と当人は言う。「私が育てたなんて、おこがましい。子供たちは自分たちで伸びていく。子供たちが頑張った結果。私は最大限のサポートをしただけ」と。
では、我孫子中はなぜ強いのか?
「駅伝は1人では走れない。選手10人だけではなく、補欠も1年生も一人一人が『みんなで強くなろう』という強い思いや目標を持っている。この目標は意見を出し合い自分たちで自己決定したもの。他人から与えられたものではないことが肝心」と説明する。
平日の練習は1時間半だけだ。樋口監督が示すメニューに特別なものはないという。「きつい練習を頑張り続けられるか、我慢できるかが大事。あきらめると、たすきはつながらない」。語り口が人生訓に聞こえ、やはり名指導者と呼びたくなる。
一秒でも速く、メンバーの誓い
副主将の三宅平朗(たかお)さん(3年)は2年前に優勝した先輩の姿を忘れない。「絶対に王座を奪還する。去年、自分が選ばれなかった悔しさをバネに、一日一日の練習を大切にしている。一秒でも速くたすきを渡す」と誓う。古山拓歩(たくほ)さん(3年)は「仲間全員の思いをつなぐ伝統ある大会。任された区間をしっかり走りたい」と意気込む。
田口純平さん(3年)の本職は110メートル障害だ。「長距離の練習を始めたのは8月から。5分30秒かかった1500メートルで今は5分を切る。ハードルの経験を生かし、起伏のある区間を走りたい」と話す。補欠を含む登録メンバー15人に女子で唯一選ばれたのが宇野心陽(こはる)さん(3年)。1500メートルは5分2秒で、当日走れるかは微妙だが「他校の男子生徒を抜く姿を後輩の女子に見せたい。自分が走る背中を見て、後輩の女子も東葛駅伝を走るようになれば」と望んでいる。
樋口監督は「子供たちが地域から応援を受ける一方、地域の人たちは子供たちの頑張りから感動を受ける。地域密着のこんな素晴らしい大会は他にない」と、東葛駅伝を絶賛する。そして「7回優勝できてうれしかったが、それ以外の順位の時も、子供たちは一生懸命頑張ってくれた。そんな子供たちに出会えたことが、ありがたい」と感謝する。【石川宏】
