
兵庫県宝塚市は新型コロナウイルス禍以降、執務スペースとなり、市民が立ち入りできなくなっている市役所の市民ホールを5日から6年ぶりに開放した。昭和を代表する建築家、村野藤吾(1891~1984年)が手がけた名建築といわれる市役所の「顔」に当たる場所。再開を記念して同市出身のミラノ・コルティナ冬季オリンピック金メダリスト、三浦璃来さんのスケートシューズや衣装を15~30日に特別展示する。【山本真也】
文化勲章を受章した村野は長年、宝塚で暮らした。晩年に設計した市役所は80年に完成。円筒の議事堂など欧州の古典建築と近代建築を合わせた魅力を持つ。中でも吹き抜けでつくられた市民ホール(544平方メートル)は、らせん階段や回廊のようなベランダがあり、村野がこだわった曲線美が生かされている。シャンデリアや大理石の床を備えた重厚な雰囲気で、ミニコンサートやパネル展示、式典などで使われてきた。
しかし、2020年に始まったコロナ禍で、職員間の密を防ぐため、執務スペースとして利用。コロナ禍終息後も、物価高騰対策など臨時的な事業のために使用が続き、市民から開放を求める声が上がっていた。
直筆サイン入りのスケート靴
15~30日に特別展示する三浦さんのスケートシューズは、直筆のサイン入り。青を基調とした衣装は19~20年のフリープログラムで身につけたもの。日本代表のジャージーや「りくりゅう」ペアの木原龍一さんとのサイン色紙もある。
いずれも三浦さんから今春、市に寄贈された品で、3月に市民栄誉賞を受けた後、「応援してもらった市民のみなさんに感謝の思いを伝えたい」と送られてきたという。展示は平日午前9時~午後5時。
展示に合わせ「建物の文化的価値を知ってもらいたい」と市民ホールの特徴などを解説したチラシを置き、市のHPにも解説ページを設ける。
