
公金の不正使用などの疑いで上院での弾劾裁判が続いているフィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領を巡り、夫が関係する企業に中国から多額の資金が送られていたことが判明し、物議を醸している。フィリピン国家安全保障会議は6日、取引が国家安全保障に及ぼす影響について調査すると発表した。
地元メディアによると、5日の弾劾裁判で、反マネーロンダリング評議会の幹部が、サラ氏の夫が設立者に名を連ねていた食品会社に、中国本土と香港から計約3億2000万ペソ(約8億円)の送金があったと証言した。6日の審理では、リサ・ホンティベロス上院議員が、送金元の一部が中国国有企業と関係しているとも指摘した。
一方、サラ氏の弁護側は声明で、資金が違法に得られたものだとは証明されておらず、サラ氏自身の資金だったことも立証されていないと反論した。
在フィリピン中国大使館も5日の声明で、中国が特定の政治勢力に資金提供したとの疑惑について、「虚偽の情報を捏造(ねつぞう)し、広めている」と非難し、フィリピンの内政に中比関係を持ち込まないよう求めた。
サラ氏の父ドゥテルテ前大統領は、親中的な外交姿勢で知られたが、薬物犯罪対策「麻薬戦争」を巡る人道に対する罪で、現在は国際刑事裁判所(ICC)に拘束されている。サラ氏は2028年大統領選の有力候補と目されているが、弾劾裁判の行方によっては解職に加え、公職に就く資格を失う可能性がある。【バンコク国本愛】
