
米労働省が2日発表した9月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に示す非農業部門の就業者数は前月比2万9000人増となり、ロイター通信がまとめた市場予想(9万人増)を下回った。雇用減速が市場で意識されたほか、最近の米連邦準備制度理事会(FRB)幹部の発信も重なり、10月会合での追加利上げ観測は後退している。
7月と8月の就業者数は計6万人下方修正され、このうち7月は2・1万人の増加から1万人の減少に転じた。9月の失業率は4・2%で、前月(4・1%)からやや悪化した。
FRBは5年以上続く物価上昇(インフレ)の抑制に重点を置いており、前回9月会合で3年2カ月ぶりの利上げに踏み切った。その後市場では、10月の追加利上げ予想が一時7割超に上ったが、最近ではFRBから「更なる行動を取る緊急性は見当たらない」(ボウマン副議長)と否定的な見解が出てきたこともあり低下。今回の雇用統計の結果を受け、2割程度まで下がった。ただ、12月会合も含めた年内利上げは2日時点で85%近くを占める。
FRBのウォーシュ議長は利上げ判断にあたって物価の傾向を見極める姿勢を強調している。今後は10月14日公表の9月の米消費者物価指数(CPI)などに市場の関心が集まりそうだ。【ワシントン浅川大樹】
