
鳥取市を拠点とするガス供給会社「鳥取ガス」は2日、会社経費を私的流用したなどとして児嶋太一氏(47)を社長から解任したと発表した。同社によると、流用額は確認できただけで約2億8000万円あるという。今後、損害額を精査し、回収が難しい場合は刑事告訴も検討する。
個人口座に約10億8000万円送金
同社は、9月14日の取締役会で社長解任の緊急動議を可決した。同社によると、確認できた私的流用は2023年~25年に約1億7000万円。さらに今年に入ってから急増し、4月からの5カ月間で約1億1200万円に上った。鳥取ガスや関連会社の法人カードを使い、飲食費、高級ブランド品の購入などに充てられていたという。
また、同社によると、取締役会の承認など必要な社内手続きを経ずに、児嶋氏の個人口座に約10億8000万円が送金されていた。これは今月に入って全額が本人から返済された。
他にも、児嶋氏と妻が今年6月に設立した会社に、必要な手続きを経ないまま鳥取ガスの資金約1億1500万円が送金されていた。一部はCM制作費に充てられたとみられるが、契約書がなくて使途のはっきりしない支出もあったという。
新社長「私物化が度を超えていた」
児嶋氏の姉で新社長に就任した佐藤陽子氏(50)が鳥取市内の本社で記者会見し、「児嶋氏の会社の私物化が度を超えていた。不正行為に対する判断の甘さがあり、会社としてガバナンスが欠如していた」と陳謝した。
児嶋氏は2011年に鳥取ガスの社長に就任。現在、鳥取商工会議所の副会頭も務めている。児嶋氏は2日、報道各社に対し、「会社側の事実認識と法的評価について、私はその内容について争っています」などとするコメントを発表した。【山田泰正】
