
三重県多気町の障害者支援施設で支援員として働く男性が、同僚による虐待の疑いを大紀町に通報した際、町が施設側に通報者の氏名を漏らしたことで精神的苦痛を受けたとして町に損害賠償を求めた訴訟で、津地裁(新海寿加子裁判長)は1日、町側に11万円の支払いを命じる判決を出した。
判決などによると、男性は2024年2月、同僚の支援員らが入所者を罵倒し背中をたたいている様子を目撃したと入所者の住む大紀町に通報。町の担当者が施設側と連絡を取った際、通報者がこの男性であることを漏らした。
判決は、障害者虐待防止法18条は「通報者であると特定されない利益についても保護している」と判断。町の担当者は注意義務に反し、この利益を侵害したと結論付け、「漏えいがなくても通報者が特定される可能性は高かった」とする町側の主張は退けた。
判決を受けて服部吉人町長は「個人情報の管理についてより一層厳格な対応をしていきたい」とコメントし、控訴しない方針を示した。町は調査の結果、通報にあった虐待の事実は確認されなかったとしている。【石本万象】
