
秋田県鹿角市は1日、9月末で廃止した市内の5支所が担ってきた一部の窓口の行政事務を市内の郵便局に委託し、各支所の近くにある5カ所の郵便局で受け付けを始めた。花輪郵便局では「開始式」が開かれ、新たなサービスをPRした。東北各地で同様の取り組みが広がっており、秋田県では鹿角市が初めて。人口減少が進む中、さらに拡大する可能性がある。
日本郵便や鹿角市によると、同市内には花輪、十和田、大湯、八幡平、尾去沢の5地区に支所を設置していたが、近年の人口減少で利用者数が減り、サービスの見直しを進めてきた。
ただ、証明書交付などの受付窓口は特に移動手段が限られる高齢者などにとって不可欠である上に、支所ではまとまった現金を1人の担当者が扱うケースもあった。鹿角市は総務省側から郵便局への委託に向けた後押しも受け、市と日本郵便は2025年5月から協議してきた。
1日からは郵便局5カ所で、戸籍謄抄本や住民票の写し、印鑑登録証明書の交付、マイナンバーカードの電子証明書の発行・更新などの事務を新たに担当する。
開始式には笹本真司・鹿角市長や日本郵便の関係者らが出席。日本郵便の斎藤貴・東北支社長は「責任を持って確実に取り扱いたい」とあいさつし、その後笹本市長が実際に窓口で申請を実演した。
笹本市長は「支所が元々あったスペースの利用方法は今後検討したい」としている。
日本郵便によると、自治体の支所機能を郵便局が受託するのは東北地方では鹿角市が5自治体目で、5支所を一度に廃止するのは異例。行政改革の一環として委託を検討する他の自治体からの相談もあるという。【工藤哲】
