
群馬県桐生市役所の建て替え工事を巡る入札妨害事件の再発防止を話し合う第三者委員会が28日、市役所で開かれた。3人の委員が行った関係者への聞き取り調査の内容が明らかにされ、加重収賄などの罪で有罪判決が確定した森山享大・元副市長の「認識が甘かった」などの回答が示された。
森山氏への聞き取りは7日に実施。事件の背景として「市の財政的負担を軽減するため、合併特例債を活用し、2025年度末までに何としても新庁舎を建設しなければならないという強いプレッシャーがあった」と説明した。05年に旧桐生市、新里村、黒保根村が合併して新桐生市が誕生し、新庁舎建設の工事は、借入金の7割が地方交付税として国から補てんされる合併特例債を活用して行われていた。
また「自分自身が公務員出身の副市長ではなかったため、業者など利害関係者との接触に関する認識が甘かったと後悔している」とも回答。森山氏は、会社役員を経て07年に桐生市議に初当選し3期12年を務めた。市議会議長に選ばれた後、執行部での行政経験がないまま、19年に市議から副市長に就任していた。
また、県議からの依頼を断れなかった理由に関して「市と県のパイプ役として尽力してもらっており、市議の先輩ということもあり、無下にはできなかった」と話した。再発防止策については「公務員出身でない者が副市長などの特別職に就任する場合には、就任時に公務員倫理や市職員に関する条例などの説明が必要と感じた」と答えた。
委員長を務める矢田健一弁護士は「元副市長の回答は、それがすべてではないが、重要な意味を持っていると感じた」と語った。【遠山和彦】
