
台風25号による影響により、千葉県北部にある印旛沼の堤防が決壊し、印旛沼周辺の栄町や成田市などで大規模な浸水被害が広がった。23日も水位は高い状態が続き、多くの住民が避難を強いられている。
印旛沼の北側にある栄町で農業を営む男性(72)は22日午前6時過ぎ、近所の人からの電話で起こされ、周囲が水浸しになっているのに気づいた。
「10分か15分で水位が1メートル以上になり、足の悪い母ちゃんをおぶって逃げるのがやっとだった」。住宅や作業小屋が1メートル以上、水につかったほか、トラクターや稲刈り機、農協が集荷予定だった30キロ入りの米150袋も水につかった。
男性は「小学校に上がる前に1度、床下浸水したのをかすかに覚えているが、それ以来。機械もだめになって、もう田んぼはやめるかもしれない」と力なく話した。
近くに住む他の農家の男性(61)は、午前6時すぎに目覚めて家から外を見ると、「ゴーという聞いたこともない不気味な音をさせながら、波を打つようにどんどん水が来た。トラクターを高いところに持って行くのが精いっぱいだった」と振り返る。
乗用車や稲刈り機、収穫前の田んぼ約1ヘクタールも水没した。しばらくは町の避難所で過ごすという。【合田月美】
