
児童74人、教職員10人が犠牲になった東日本大震災の遺構・大川小学校(宮城県石巻市)の敷地内にある「大川震災伝承館」脇の自動販売機が壊され、現金が盗まれていたことがわかった。休館日だった9日をはさみ、8日の閉館後から10日未明の犯行とみられ、多くの命が失われた追悼の場での被害に関係者は悲しんでいる。
同館によると、石垣武館長(45)が10日午前、風にあおられ自販機の扉が開いているのに気づき見てみると、側面の鍵部分が壊され、中の現金が盗まれていた。防犯カメラを調べたものの夜間に不審な人の動きは確認できなかったという。自販機の管理会社が県警河北署に被害届を出した。被害額は数千円程度とみられるという。
石垣館長は「カメラの死角などを事前に下調べしたのではないか。多くの子どもや先生、地域の人たちが亡くなった場所でこんなことをするとは信じられず、憤りを通り越して悲しい」と話した。
市内では募金箱盗まれる被害も
大川小ではこれまで、市の条例で立ち入りが禁止されている校舎内に何者かが侵入し、たばこの吸い殻を捨てたり、校舎内の物を動かしたりする事案が確認され、伝承団体からは「大切な校舎が傷つけられる被害につながらないか」と懸念する声が上がっていた。同館は今後、防犯カメラを増やすなどの対策強化を協議中という。
石巻市内では昨年9月にも、石巻南浜津波復興祈念公園内にある「がんばろう!石巻」の看板前に設置された募金箱が盗まれる被害があり、その後、箱だけがバラバラの状態で近くに捨てられているのが見つかったものの、犯人は捕まっていない。【百武信幸】
