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「途方に暮れている」 慰霊碑の無縁化、調査で見えた遺族の苦悩


 戦後81年が過ぎ、戦没者を追悼するために全国各地に建立された慰霊碑で無縁化が進んでいる。

 毎日新聞はこの夏、戦没者慰霊碑の現状について、太平洋戦争などで亡くなった戦没者の遺族らでつくる全国組織「日本遺族会」にアンケート調査を実施した。

 回答があった28都道府県の遺族会支部の大半が、慰霊碑の管理が困難になっていると記し、国や行政による管理を求めた。

 北海道の遺族会によると、道内には把握できている分だけで現在、247基の慰霊碑がある。うち59基を遺族会で管理しているが、「管理者の高齢化に伴い、後継者不足で管理できなくなることが予想される」とした。

 沖縄の遺族会からは「経年劣化で破損やひび割れが見られ、倒壊するレベルまで進んでいる慰霊碑もある。遺族会の予算では対応できない」と切実な声が寄せられた。

 鳥取の遺族会によると、県内の慰霊碑の多くは旧自治体や在郷軍人会が建立したものだ。

 しかし、管理者がいなくなり、清掃や草刈りを続けるうちに遺族会が管理を担うようになったケースも少なくないという。

 担当者は「行政に相談しても相手にしてもらえず、途方に暮れている遺族も多い。地域での管理を望むのならば、施策を考えてほしい」と訴えた。

 東日本大震災に見舞われた福島の遺族会は「地震発生頻度の高い福島では、慰霊碑の破損や倒壊が予想され、その復旧や対応が課題となっている」と指摘。その上で、「解決方法案は戦争遺跡として国と自治体が永久に維持管理すること」と提案した。

 このように、少なくとも20都道府県の遺族会が国や自治体による管理を強く求めた。

 また東京都の遺族会によると、約10年前に東京都内の市議会で政教分離を理由に慰霊碑管理のための助成金が廃止されたという。「会員数が減少する中、遺族会の年会費だけで維持管理は難しく苦慮している。補助制度を設けてもらいたい」と打ち明けた。

 厚生労働省は2025年から日本遺族会を通じて、戦没者慰霊碑の実態を調べている。結果を踏まえ、今後の対応を考えていく方針だ。【松本美緒】

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