
弘前大(青森県弘前市)の研究グループは、本州の限られた森林に生息し、生態に不明な点が多いことから「幻のモグラ」と呼ばれるミズラモグラを青森、秋田両県にまたがる世界自然遺産・白神山地で初めて確認したと発表した。
研究グループの中村剛之教授が2019年、青森県西目屋村の暗門の滝近くの遊歩道(標高約320メートル)でしっぽを除いた体の長さ約9センチのモグラの死骸を見つけた。持ち帰って詳しく調べたところ、鼻や下あごの歯の特徴などから、ミズラモグラと特定された。
準絶滅危惧種に指定
ミズラモグラは広島から青森にかけての森林に生息する日本固有種の小型モグラ。生息地は局所的に分断されており、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。
青森県内ではこれまで20匹余りの捕獲などの記録があるが、その多くが八甲田山系(青森市など)だった。
これらは幅広い標高(60~1050メートル)で発見されていることから、研究グループのムラノ千恵助教は「記録が無かった秋田側を含め、白神山地全域に生息している可能性がある。生態を解明していきたい」と話す。
成果は学術誌「哺乳類科学」7月号に掲載された。【足立旬子】
