
米中央軍は5日、イランの原油積み出し拠点であるカーグ島沖やオマーン湾などでイランの石油タンカー3隻を攻撃したと発表した。これに対し、イランの精鋭軍事組織・革命防衛隊はホルムズ海峡を航行するタンカー3隻や、米関連船3隻を攻撃したと発表。米イラン双方の攻撃の応酬に歯止めがかからない状況になっている。
米軍の攻撃に先立ち、イラン側はパトロール中の米軍艦2隻に対して弾道ミサイルを発射していた。
米中央軍は声明で、攻撃したタンカー3隻は「革命防衛隊やその代理勢力に資金を提供する数十億ドル規模の陰のネットワークの一部」だと主張。ヘグセス米国防長官はX(ツイッター)への投稿で「イランが米艦艇を攻撃すれば、我々はイランの石油タンカーを破壊する。イランがすべきなのは、攻撃しないことだけだ」とけん制した。
イランは米国が6月に合意した覚書の条件を履行するまで「海峡は開放されない」と主張。米国もイラン港湾に対する封鎖措置を続けており、イランはほとんど原油を輸出できていないとされる。
一方、湾岸諸国のタンカーの一部は米軍の護衛を受けて海峡の「突破」に成功している模様だ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米調査会社は直近の約1カ月間でペルシャ湾から海峡を経由して日量平均約500万バレルの原油が輸出されたと推定。さらに海峡を迂回(うかい)できるアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラなどから日量約250万バレルが輸出されており、全体の輸出量はこの地域の戦前の4割以上にあたる規模という。
海峡封鎖を米国との交渉の「切り札」としてきたイランにとって、米国の航行支援は自国の主導権を脅かすものであり、今後軍事的な圧力を強める可能性がある。【カイロ古川幸奈、ワシントン平野光芳】
