
2025年11月の茨城県神栖市長選で当選した木内敏之市長(65)が、当選を無効とした県選挙管理委員会に裁決の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京高裁は3日、請求を棄却した。「まんじゅうや」「だんごさん」と書かれた2票が実家が老舗和菓子店の木内氏の有効票になるかが争点だったが、佐藤哲治裁判長は「本名の代わりとして広く使われていたとは言えない」と無効と判断した。
2票が無効とされたことで県選管の裁決と同じく次点だった石田進氏(68)の得票が上回り、判決が確定すれば石田氏が市長となる。木内氏は判決後、市役所で報道陣の取材に応じ「大変残念で遺憾。上告を含めて検討する」と述べた。
市長選は、元市議の木内氏と当時現職で3選を目指した石田氏が立候補。得票は1万6724票の同数で、くじ引きで木内氏の当選が決まった。市選挙管理委員会が「まんじゅうや」「だんごさん」の2票を有効としたため、石田氏が審査を申し立てると県選管は一転して「通称として広く使われていたとは認められない」と無効にした。
判決はまず通称が開票区内で広く慣習的に使われ、明らかに候補者本人を指す場合に投票は有効になるとの判断基準を示した。その上で「まんじゅうや」「だんごさん」はあくまで飲食店の種類や食品を指す名詞にとどまる上、市内に和菓子店が少なくとも9店あることなどを踏まえると、2票は木内氏を指すとは言えないとして無効とした。
石田氏の票については県選管の裁決で1票が無効となり、木内氏側は他に8票も無効だと主張したが、判決は8票を有効と判断。この結果、木内氏が1万6722票、石田氏が1万6723票となり、石田氏が1票上回った。
石田氏は「順当な結果。早く復帰して、市政を進めたい」と述べた。【安達恒太郎、古賀三男】
