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北大院生死亡 学生が「フッ化水素酸」を取り出せる状態か


 北海道大理学部で大学院生が猛毒を浴びて死亡した事故で、事故があった研究室の薬品庫は、学生が自ら猛毒「フッ化水素酸」を取り出せる状態にあった可能性があることが1日、大学などの関係者への取材で判明した。フッ化水素酸は毒劇物取締法で施錠できる設備での管理が義務づけられており、研究者らは安全管理が適切だったのか疑問を呈している。

 北大の8月27日の発表によると、同日朝に札幌市北区の理学部の建物で、大学院生1人がフッ化水素酸をかぶる事故が発生し、搬送先の病院で死亡が確認された。救助にあたった別の院生と学部生の2人も軽傷を負った。

 関係者によると、死亡した学生は薬品庫からフッ化水素酸を取り出し、自らかぶったとみられる。事故時に教員は不在だったとみられ、事故があった研究室では学生が自由に薬品庫の鍵を扱える環境にあったという情報もある。

 厚生労働省のホームページなどによると、フッ化水素酸は毒劇物取締法の毒物に指定され、金属の洗浄などに使われる。人体に触れると激痛を伴い、死亡することもある。

 毒物を扱う複数の研究者によると、実験でフッ化水素酸のような危険な薬品を扱う際は、ガラス張りの箱に腕だけを入れて実験する専用の局所排気装置「ドラフトチャンバー」を使ったり、防護服やフェースガード、専用手袋などを装着したりして実験に臨む。事故に備え、中和剤なども用意するという。

 化学が専門の国立大教授は、フッ化水素酸を学生が使う場合は教員が同席して安全対策をとった上で実験するのが理想的とし、「フッ化水素酸のような毒物は施錠して管理し、鍵は教員のみが触れるようにするのが一般的な安全管理だ。学生が簡単にアクセスできたのであれば問題だ」と指摘する。

 別の国立大教授は、フッ化水素酸について「少量が皮膚についただけでも危険な状態になる」と説明した上で、学生が多量のフッ化水素酸を手にすることができたことを問題視し、「試薬の危険性から考えれば安全管理者の責任が厳しく問われる事態だ」と話した。

 北大は事故原因などの調査を進めており、新たな事実が判明した場合、改めて公表すると説明している。【谷口拓未、鳥井真平】

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