
愛媛県と松山大、愛媛大付属病院は7月、県内で不足する病院薬剤師を確保するため、薬学部の学生に修学資金を貸し出す制度の創設などを盛り込んだ連携協定を結んだ。
病院薬剤師は病院内の薬局や病棟で業務に当たる薬剤師で、医師や看護師とともにチーム医療に欠かせない存在。一方で、薬剤師は全国的に遍在していることが指摘されており、国の指標によると、愛媛県は病院薬剤師が足りない地域に該当する。県内では大洲、八幡浜、宇和島、今治地域で特に不足しているという。
県薬務衛生課によると、地域の薬局に勤務する薬剤師に比べ、病院薬剤師は不足がちだという。20代、30代では薬局勤務の方が賃金が高い傾向にあることも影響しているとみている。また、薬学部は6年制で経済的な負担も大きいこともあり、松山大でも近年は定員割れが続いているという。
修学資金の貸し出しは松山大薬学部の5、6年生が対象で、2年間で最大384万円。卒業後には、愛媛大付属病院で1年間チーム医療や在宅医療に携わる研修を受けられる。その後、薬剤師の少ない地域の病院に数年間勤務すると修学資金の返済が免除される。
締結式では、中村時広知事と松山大の新井英夫理事長、愛媛大付属病院の羽藤直人院長が調印した。中村知事は「チーム医療に不可欠な病院薬剤師の確保の大きな一歩となる」とあいさつした。
また、県薬剤師会は同日、松山市の県薬剤師会館に「えひめ薬剤師活薬センター」を設置した。薬剤師を志す学生らを対象にした進学や就職の相談などの拠点にする。また、同会が運用するモバイルファーマシー(移動薬局車)をイベントに派遣し、薬剤師の魅力の発信などを行っていく。【栗田亨】
