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重油代1.5倍で銭湯悲鳴 100年超の老舗「経営成り立たぬ」


 中東情勢の緊迫化が、銭湯の経営に打撃を与えている。湯を温めるのに使う重油の価格が高騰しているためだ。銭湯離れなどで経営が厳しさを増す中、存続の危機にさらされる県内の老舗の銭湯からは「赤字のままでは経営が成り立たない」と悲鳴にも似た声が上がる。【庄司哲也】

 群馬県高崎市の浅草湯は1921(大正10)年創業で100年以上続く老舗の銭湯。最盛期は市内に50軒以上あった銭湯は、高度経済成長期の家庭用風呂の普及で次々と廃業し、浅草湯が市内唯一となった。油井型の煙突を持つ現在の建物は1929年に建てられた。脱衣かごも当時のままで、昭和初期の風情を残す。男湯の脱衣所にはシャンプーなどが入った常連客の手提げかごが20個以上並べられていた。

 浅草湯は湯を温めるのに重油を使う。4代目店主の斎藤全賢さん(68)は3月分の重油代の請求額に驚いた。それまでの1・5倍になっていたからだ。重油は冬場は1日当たり120リットル前後、夏場は70リットルを使用。1月は1リットル当たり100円だったのが、中東情勢の緊迫化を受けて3月には同150円になっていた。4月分の請求はまだ来ていないが、斎藤さんは「請求書を見るのが怖い」と話す。

 銭湯は保健衛生上で必要な「一般公衆浴場」に区分され、物価統制令に基づき都道府県知事が上限額を決めている。現在の県内の大人(12歳以上)の上限額は450円だ。他の温浴施設と異なり、自由に価格を決められないという特有の事情がある。

 銭湯に通う常連客のため斎藤さんは午後2時の開店を続けている。「変わらずに通ってくれるお客さんのためにできるだけ経営は続けたい。だが、原油高が長期化すると、経営は厳しくなってしまう」と苦悩を明かした。

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