
航空自衛隊百里基地(茨城県)所属のF2戦闘機が2025年8月、太平洋上に墜落した事故で、空自の事故調査委員会は24日、不適切な整備に起因したエンジンの推力低下が原因と推定する調査結果を公表した。
墜落機体は21年12月ごろの整備で、エンジン内のコンプレッサー(空気圧縮機)の金属製羽根が適切に取り付けられていなかったと指摘。事故までの約3年7カ月間、墜落機体を含む5機がこのエンジンを使い回しており、羽根の一部が疲労破壊を起こした影響でエンジンの推力が低下したと推定した。エンジン取り付け後の検査時期が不明確で、整備時に見落としがあった可能性もあるとした。
空自トップの森田雄博・航空幕僚長は調査結果を受けて記者会見し「百里基地周辺の住民の皆さまをはじめ、多くの国民にご心配をおかけし、大変申し訳なく思っております。究明した原因および事故から得た教訓を厳正に受け止め、飛行安全の確保に万全を期してまいります」と述べた。
事故は25年8月7日午後0時34分ごろに発生。訓練中のF2が百里基地の北東約150キロの洋上に墜落し、操縦していた1等空尉が緊急脱出した。1尉は調査委に対し「(操縦席で)衝撃音と振動を感じ、エンジンの不具合を示す『注意灯』が点灯した」などと証言していた。【宮城裕也】
