
クマが出没し人的被害の可能性がある場合などに、市街地での発砲を認める「緊急銃猟」の訓練が13日、神奈川県秦野市曽屋で実施された。昨年9月に制度化された緊急銃猟に基づいた訓練は首都圏の1都3県で初めて。市と県警、猟友会などから約60人が参加した。
訓練はクマを住宅地で目撃したという通報を受けて、県警や市などが情報共有することから始まった。
続いて、市が設置した現地本部が駆除を担当する地元猟友会のメンバーらによる「市鳥獣被害対策実施隊」に連絡。地域住民に避難を呼びかけた。
さらにクマが、人の生命や身体を危険にさらす可能性があるかなどの要件を満たすかどうかをチェックして市長が緊急銃猟することを判断。実施隊が模擬銃で、県警本部の警察官がふんしたクマを駆除するまでのプロセスを確認した。
訓練に参加した県猟友会秦野支部の吉田益雄会長(75)は昨年12月、山北町でシカの狩猟中に3メートルほどの距離でクマに遭遇したという。
吉田さんは「54年間の狩猟経験で初めて。こちらが銃を構える暇がないほど、クマは速い動きだった。クマの実際の動きは、訓練とは違うだろうが対応できるようにしたい」と語った。
市環境産業部農業振興課の岩田和剛課長代理は「県警や県と実際に流れを確認できたのは有意義だった」と話した。
市内では2025年度に12件のクマの目撃情報があった。環境省のデータによると全国では238件の人身被害があり、13人が死亡している。【本橋由紀】
