
「社会保障国民会議」の有識者会議が9日、東京都内であり、給付付き税額控除の制度設計が始まった。
この日の会議では、所得や資産の把握方法、所得に応じた支援額の連動方法、個人と世帯のどちらを支援対象にするかなどについて議論した。事務局によると、会議では世帯ではなく、個人単位で支援すべきだとの声が多かったほか、「支援額を収入に連動させ、一定額以上の所得は支援額を減らすべきだ」との意見が出た。所得や資産の把握は「最初はシンプルな制度設計にすべきだ」との声もあった。資産の把握には時間がかかることから、簡易的な制度から段階的に導入する方向で検討を進める。
給付付き税額控除は、政府が支給する「給付」と、所得税などの税額から一定額を減税する「控除」を組み合わせた制度。納税額が少なく減税のメリットを十分受けられない人にも、給付を通して支援できる。中低所得者の税や社会保険料の負担を軽減できるほか、働き控えを解消する効果もある。
一方、公平な制度設計には所得や資産を正確に把握する必要があるが、仕組み作りには数年かかるとされる。国民会議では制度設計から2年での導入を目指しており、自民党の田村憲久政調会長代行は6日の実務者会議後の取材で「段階的に進め、まずは簡素なものの検討、制度設計から議論していただきたい」と発言。参加する他の政党も実務者会議で段階的な制度設計に理解を示し、「給付」を軸に検討すべきだなどとの意見も出ていた。
国民会議では、夏前までに中間取りまとめをする方針。有識者会議で制度設計のたたき台を作り、政府と与野党幹部らで構成する実務者会議で議論を深める見通しだ。【妹尾直道、大原翔】
