
米国・イスラエルとイランの交戦を巡り、トランプ米大統領は4日、イランに対し、停戦合意を結ぶかホルムズ海峡を開放するかの期限まで残り48時間だとして、応じなければ「地獄が降り注ぐことになる」と警告した。自身のソーシャルメディアで述べた。
トランプ氏は「私がイランに10日間を与えたことを覚えているか」と投稿。3月26日には、イランの発電所などへの攻撃を控える猶予期間を10日間延長すると表明し、新たな期限は米東部時間4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)としていた。今回言及した期限はこれを指すとみられ、改めて圧力を強めた形だ。
ただ、イランが要求に応じるかは見通せない。イランメディアによると、イラン軍事当局はトランプ氏の投稿に対し「敵対行為がエスカレートすれば、地域全体があなたたちにとっての地獄と化すだろう」と述べ、はねつける姿勢を示した。
また、ロイター通信によると、米情報機関は最近の報告書で、イランにとってエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の「掌握」は米国に対抗する唯一の実質的な影響力で、すぐに開放する可能性は低いと分析しているという。
トランプ氏は発電所攻撃の猶予期間を強調したが、国際原子力機関(IAEA)によると、4日に南部のブシェール原発付近に飛翔(ひしょう)体が着弾した。原発に近接する建物に被害が出て、警備員1人が死亡した。周囲で放射線量の上昇は報告されていない。同原発周辺への攻撃は最近数週間で4回目だという。
IAEAのグロッシ事務局長は「深い懸念」を表明。「原発の敷地や周辺は決して攻撃されてはならない」と訴え、核事故のリスクを回避するために軍事行動の自制を改めて求めた。
また、イランメディアによると、イラン南西部フゼスタン州にある複数の石油化学施設も4日に米イスラエルの攻撃を受け、5人が死亡し、170人以上が負傷した。
一方、イランも湾岸諸国へのインフラ攻撃を続けているとみられる。
ロイターによると、4日にイラク南部バスラにある外国の石油企業の貯蔵施設が無人機(ドローン)攻撃を受けて火災が発生したほか、英石油大手BPが操業するイラク南部の油田にもドローン攻撃があり、イラク人の作業員3人が負傷した。
アラブ首長国連邦(UAE)のアルミニウム製錬大手エミレーツ・グローバル・アルミニウムは3日、3月末にイランの攻撃を受けた首都アブダビの工場の操業停止を発表した。完全復旧には最長で1年かかる可能性があるとしている。【ロンドン福永方人】
