
パキスタンのダール副首相兼外相は29日、戦闘終結に向けた米国とイランの協議が近く実現する見通しだと表明した。首都イスラマバードでの開催を調整しているが、停戦条件を巡る両国の立場は隔たりが大きく、先行きは不透明だ。
同日、イスラマバードでトルコ、エジプト、サウジアラビアの外相らと会談し、その後の声明で明らかにした。具体的な協議日程は明らかにしていない。
ダール氏は声明で、戦闘の早期かつ恒久的な終結の方策について話し合ったとし、「今後数日中に開かれる協議を主催できることを光栄に思う」と述べた。
ロイター通信によると、イランが事実上封鎖している原油輸送の要衝ホルムズ海峡を巡っても議論した。トルコとエジプト、サウジは海峡の通航に関し、共同管理の枠組みを設ける案を米国に提示している。
ただイランは、米軍がイランの原油取引の拠点カーグ島侵攻を視野に即応部隊を派遣するなど、中東で軍事力を増強していることに警戒感を募らせている。
イランメディアによると、イランのガリバフ国会議長は29日、「米国は交渉の意思を示しながら、地上攻撃を計画している」と不満を表明。その上で「我々の軍隊は米兵が来るのを待ちかまえ、集中砲火を浴びせる」と警告し、徹底抗戦する構えを示した。
米軍とイスラエル軍は29日もイランを攻撃。イランメディアによると、ホルムズ海峡に面する港湾都市バンダルアバスでは5人が死亡した。イラン保健省は、2月末の戦闘開始以降の死者が2000人を超えたと発表。このうち200人以上が子どもだという。
イランもイスラエルへの攻撃を継続。イスラエル南部ベエルシェバ近郊の工業地帯にミサイルの破片が着弾し、火災が発生した。
攻撃の応酬が続く中、国際原子力機関(IAEA)は29日、イラン西部の重水炉施設が稼働不能になったとX(ツイッター)に投稿した。ロイター通信によると、イラン国内では送電網の一部も破壊され、29日には首都テヘランなどで停電も発生した。【ニューデリー松本紫帆、エルサレム松岡大地】
