
韓国の地方自治体の合併は、ソウル首都圏への一極集中を防ぐことにつながるのか。地方自治が専門の林承彬(イムスンビン)明知大名誉教授に聞いた。【聞き手・ソウル福岡静哉】
今回、合併を推進しているのは、深刻な消滅危機にある地域を抱える自治体が多い。国からの財政支援を増やすことなどで地域の地盤沈下を食い止めようと、合併を進めた形だ。
ただ、合併しただけでは問題は解決しない。根本的な対策は、核となる産業や教育機関などを育成することだ。
全羅南道では、官民連携で人工知能(AI)事業の大規模拠点を作る構想が進む。2兆5000億ウォン超が投資される見通しで、期待が高まっている。太陽光など再生可能エネルギーによる大規模な発電施設の建設も進めている。
慶尚北道でも先端医療・バイオ事業を核としたプロジェクトが計画されている。また大田市は、理系の研究で知られる地元の国立大学「韓国科学技術院(KAIST)」などと連携し、AIや半導体などの分野の高度人材育成の強化を掲げている。
合併して生まれる新自治体は、財政面などで優遇措置を受けられる。こうしたプロジェクトを成功させ、多くの雇用を創出できるのか。地方に人を呼び戻し、新たな人材育成につなげられるのか。ソウル首都圏への一極集中に歯止めをかけるには、こうした点が鍵になる。
