
トランプ米大統領は13日、イラン最大の原油積み出し拠点であるカーグ島を攻撃したと発表した。カーグ島は1980年代のイラン・イラク戦争でも標的となり、イラク軍による大規模攻撃で甚大な被害を受けた過去がある。どのような場所なのか。
「地震のように揺れた」
米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、カーグ島はイラン本土から約25キロ離れたペルシャ湾に浮かぶ島で面積は約20平方キロ。鹿児島県の与論島とほぼ同じ大きさだ。
イランの原油輸出の9割を担う重要拠点で、「イラン経済の生命線」とも言われる。米国、イスラエルとの戦闘開始後も、原油の積み出しは続いていたとされる。
13日の米軍による攻撃は2時間近く続いたとみられ、石油施設の職員はニューヨーク・タイムズの取材に「島が地震のように揺れた」と証言。イラン石油省の幹部は「カーグ島の石油・ガス施設が攻撃されれば、イランの原油輸出の大部分がただちに停止する」と懸念を示した。
中国などへの輸出拠点
イランは石油輸出国機構(OPEC)3位の産油国で、1日あたり330万バレルの原油を生産。世界の石油供給の4・5%を占めている。
報道によると、カーグ島にはほぼ毎日、イランの主要油田から数百万バレルの原油がパイプラインを通じて送り込まれている。
精鋭軍事組織・イラン革命防衛隊の厳しい管理下にあり、イラン国民の間では「禁断の島」と呼ばれているという。
1984年に米中央情報局(CIA)が作成した文書には「(カーグ島の石油施設の)継続的な稼働はイランの経済的福祉に不可欠だ」と記されている。
周囲の水深が深いため、タンカーが接岸しやすいという特徴がある。超大型タンカー10隻に同時に原油を積み込むことが可能で、原油はホルムズ海峡を通って主に中国などに輸出されている。
「石油インフラ」が焦点に
イランのファルス通信は14日、米軍から海軍基地などが攻撃を受けたが、石油インフラへの被害はなかったと報じた。
米国はカーグ島を制圧する地上作戦を検討しているとの報道もあり、トランプ氏はイランがエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の「封鎖」を続ければ、次は石油インフラを標的にすると圧力をかけている。
カーグ島の石油施設に被害が出れば、原油価格に影響が出る恐れがある。【古川幸奈】
