
トランプ米大統領は3日、米国とイスラエルが攻撃を続けるイランの新たな指導者について、「内部の人物の方がより適任に思える」と述べ、現体制内の人物が好ましいとの考えを示した。一方で「最悪のケース」として、死亡した最高指導者ハメネイ師を念頭に「前の人物と同じくらいひどい人物が引き継ぐことだ」とも述べた。
トランプ氏は、1月の米軍攻撃後に体制をほぼ温存しながら、米国との協調姿勢に転じたベネズエラを絶賛している。イランでも安定化を優先し、体制側の有力者と協力を模索する可能性がある。
トランプ氏は、ホワイトハウスで行われたドイツのメルツ首相との会談の冒頭、記者団の取材に応じた。ベネズエラの事例を評価する一方で、2003年に米国が戦争を始め、泥沼化したイラクのケースを批判。「イラクでは非常に愚かなことに(政権の)全員が解雇された。そしてIS(過激派組織イスラム国)が形成された」と語った。
一方、米国から体制転換を訴えているイランのレザ・パーレビ元皇太子が新たな指導者に就くことについて「あまり多く考えてこなかった」と述べ、慎重な姿勢を示した。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ政権の高官は、現実路線を取ることができる精鋭軍事組織・革命防衛隊の中の勢力が実権を握るシナリオを好んでいる。米中央情報局(CIA)の分析では、経済活動を妨害しない限り、この勢力が米国に融和的になる可能性があるという。
また、イランでの軍事作戦に踏み切った理由については「この狂人たち(イラン)と交渉していたが、彼らが先に攻撃してくるのではないかというのが私の考えだった。我々がやらなければ、彼らが先にやってきた。そう強く感じた」と語り、先制攻撃を正当化した。【ワシントン松井聡】
