
オーストラリア東部シドニーで昨年12月、ユダヤ教の祭典を祝う集会中に15人が死亡した銃乱射事件を受け、イスラエルのヘルツォグ大統領が9日、事件現場を訪問した。アルバニージー豪首相の招待を受けた4日間にわたる公式訪問の一環で、人気観光地ボンダイビーチ付近の現場に到着後、犠牲者を悼んで献花した。
ヘルツォグ氏は記者会見で、今回の事件について「ユダヤ人だけでなく、民主主義の価値が狙われた豪州国民全体への攻撃だ」と指摘。その上で、世界各地で反ユダヤ主義が強まっていると述べ、共に対策強化する必要性を訴えた。
アルバニージー政権は昨年、パレスチナ自治区ガザ地区の人道危機を背景に、パレスチナの国家承認を表明した。以来、イスラエルのネタニヤフ首相がアルバニージー氏を非難し、両国関係は冷え込んでいた。ヘルツォグ氏は今回の会見で「イスラエルにとって豪州は長年にわたる緊密な同盟国だ」と強調し、関係修復に意欲を示した。
一方、豪各地では、ヘルツォグ氏の訪問に抗議するデモが行われている。地元メディアによると、9日夕にはシドニー市庁舎周辺に少なくとも1000人以上が集まった。当局はシドニー全域に約3500人の警察官を配置し、警戒を強めている。
事件を巡っては、地元警察が過激派組織「イスラム国」(IS)を信奉する親子の犯行と断定し、豪国籍の男性(24)をテロ行為や殺人などの罪で訴追。父親は現場で射殺された。【バンコク国本愛】
