
千葉県館山市が昨年で廃止した伝統行事の寒中水泳大会が7日、県立安房高校水泳部OBらによって復活した。極寒の海に入った高校生たち22人は「120年の歴史を途切れさせるな」と、輪になって泳ぎながら気勢を上げた。
館山湾寒中水泳大会は、旧制安房中学(現安房高)水泳部が1902年から行っていたとされる寒稽古(けいこ)が起源。48年に皇太子殿下(現在の上皇陛下)が館山市を訪れた際に記念行事として実施したのを機に、市民参加の行事として行われるようになった。2025年1月18日開催の第78回大会には15~73歳の162人が参加した。だが、主催してきた市などは悪天候による中止リスクの高さや、会場に配置する職員数の逼迫(ひっぱく)などを理由に同大会を最後に廃止を決めた。
これに対し、同高水泳部OBで県水泳連盟会長の加藤宗人さん(68)らが現役水泳部員とOBによる寒中水泳大会を企画。参加者への健康チェックなど安全面に配慮したうえで、大会名称も「安房鏡ケ浦寒中水泳」と改め、実施に踏み切った。
会場となった北条海岸付近のこの日午前11時現在の気温は7度で水温は13・5度。水泳部員17人とOB5人は伝統の「天突き体操」で体を温めた後、波の穏やかさから「鏡ケ浦」の別名を持つ館山湾へ。約10分間冬の海を泳ぎ、円陣を組んで校歌を熱唱した。
参加した同高2年の水泳部員、鈴木大晟さん(17)は「体の感覚がまひするほど冷たかったが、水泳部の伝統を守ることができてうれしい」と話した。【岩崎信道】
