人工の流れ星を宇宙から降らせる事業に取り組むベンチャー企業「ALE(エール)」(東京都港区)は4日、新たな人工衛星を打ち上げ、2028年度中に流れ星を作ると発表した。過去2度にわたって挑戦していたがいずれも実現には至らず、3度目の挑戦となる。
ALEによると、高度400キロ付近に3号機となる重さ約100キロの衛星を周回させ、流れ星の「もと」となる金属の粒(直径1センチ)を放出、夜空を流れる人工流れ星ショーを世界で初めて実証する。実施時期や見られる場所などの詳細は今夏にも発表する。
19年1月と12月に打ち上げた衛星2基は、粒を放出する部位が動作不良を起こして失敗した。粒を装塡(そうてん)する部位の金属同士が真空状態で固くくっついてしまい、正常に動作しなかった可能性が高いという。今回は装塡部の素材や設計を変更して改良した。
人工の流れ星は天然よりゆっくり流れるとみられる。発光の状況など観測を通じて、流れ星が発生する高度60~80キロの大気成分や風速などのデータ取得が可能という。この高度は飛行機や気球による観測が困難な領域で、大気の新しい研究にもつながるとしている。
ALEの岡島礼奈社長は「2度の失敗があったから、次に踏み出せた。エンターテインメントから科学に還元する新しいビジネスモデルにしたい」と意気込みを語った。28年度の実証に成功すれば、29~30年に商業化し、国内外の観光地やイベントでの実施を目指す。【荒木涼子】

