
「昭和」の元号を考案した福岡県みやこ町出身の漢学者、吉田増蔵(1866~1941年、雅号・学軒)と兄の足跡を描いた電子漫画「吉田兄弟物語」の閲覧数が1000回を突破した。「昭和100年」の2025年末、閲覧総数はそれまでの3倍超の1021回まで増加。みやこ町図書館では「こんなに増えるとは予想していなかった」と驚いている。
増蔵は江戸末期、当時の豊前国上田村に生まれた。漢学塾で学んだ後に上京。宮内省図書寮の編修官の時に上司だった文豪・森鷗外が亡くなった後、元号の研究を引き継ぎ、増蔵が出した複数の案の中から「昭和」が選ばれた。
みやこ町図書館によると、漫画は全部で127ページで前半が増蔵、後半が「日本近代製麻業の父」と呼ばれた兄の健作の功績を伝えている。原作は町歴史民俗博物館の学芸員、井上信隆さんが「昭和天皇実録」などの文献をもとにまとめたもの。漫画本はこれまで51回貸し出されており、無料で公開している電子漫画は、電子図書館がオープンした23年10月から24年末で318回だったのが、25年の1年間で703回閲覧された。
進光晴館長は「できるだけ多くの人が見て、昭和の元号を考案した地域の偉人を知ってもらいたい」と願っている。昭和の元号の誕生から100周年の26年、みやこ町では「昭和の日」の4月29日から約2カ月間、企画展を予定している。【井上和也】
