
性暴力事件の事情聴取や公判手続きで被害者の心情に配慮した対応がなされているのかを尋ねるウェブアンケートを全国の弁護士有志らが実施している。刑事手続きの過程で起きる性暴力の2次被害の実態にスポットを当てた調査は初という。結果をまとめて関係機関に伝え、捜査・公判の実務の改善に役立ててもらうのが狙いだ。
アンケートは、性暴力被害者への対応経験が豊富な弁護士や支援員ら約20人が手掛ける。対象は、あらゆる性暴力の被害者で、捜査機関に被害申告をした当事者を主に想定している。
心理的な負担で回答が難しい場合は家族や支援者が代わって回答することも可能。性別は問わず、匿名で参加できる。調査目的のため、被害に対する個別の支援は提供していない。
アンケートでは、警察官▽検察官▽裁判官▽加害者の弁護人――の対応で違和感や不満を覚えたことを尋ねており、選択式で回答してもらう。1次捜査であれば、事情聴取や実況見分、証拠品の取り扱いに関する質問を用意。「性的なことについて事件と無関係なことを聴かれた」「同じことを何度も説明させられた」といった項目から該当するものを選んでもらう。詳細について自由に記述する欄もある。
10月下旬から実施し、これまでに約450件の回答が寄せられた。警察官から「あなたにも落ち度があった」、検察官から「体を使った取引をして仕事をしていたのでは」などと言われたという証言が集まっているという。
性暴力被害者への配慮は刑事司法の課題の一つとされており、関係機関では、性暴力被害者の精神的被害を的確に把握して対応できる人材の配置や、性暴力被害の実情について学ぶ研修の実施といった取り組みも進む。それでも弁護士らの元には、2次被害を訴える声が寄せられているといい、アンケートの実施につながった。
回答の期限は12月31日。発起人の一人の桜井祐子弁護士(東京弁護士会)は「刑事手続きの中でつらい思いをした性暴力被害者もいることを捜査機関や裁判所にきちんと伝え、性暴力被害者が声を上げやすい社会にしていく一助にしたい」としている。
アンケートのURL(https://forms.gle/575qdFoE3FdNmhDQ7)。【飯塚りりん】
