
滋賀県文化財保護課は25日、長浜市湖北町尾上の沖合にある葛籠尾崎(つづらおざき)湖底遺跡の水深約64メートル付近の湖底で、縄文時代早期前葉(1万1000年前)から早期中葉初頭(1万500年前)と推定される砲弾型の尖底(せんてい)土器(高さ約25センチ)がほぼ完全な形で存在していることを確認したと発表した。同時期の縄文土器がほぼ完全な形で見つかるのは非常に珍しいという。
県は今年10月7~15日、文化庁の受託事業として、無人潜水機で同湖底遺跡約2万平方メートルを動画と写真でスキャンした。このうち立命館大の先行調査で遺物の存在が想定されていたエリア(約144平方メートル)の画像を優先して3D(立体映像)化し、湖底の状況を分析した。この結果、尖底土器の他、古墳時代中期(5世紀ごろ)の土師器甕(はじきかめ)6個などもあることが分かった。
同湖底遺跡では1924年から、漁師が網で引き上げるなどして縄文~平安時代の土器など約200点以上が見つかっている。これまでは約9000年前の土器が最も古いとされていた。同課の担当者は「ほぼ完全な形で見つかった土器としては全国的にも最古級だ」と評価。甕のうち3個は一列に並んでいる状態で、人為的に沈めた可能性がある。また、偶然の破損とは考えにくい穴のある甕やひもを結わえたような痕跡のある甕も確認できるという。
県は残る範囲の映像の3D化も進めるが、現状のままの保存を優先するため、見つかった土器を引き上げる予定はないという。【北出昭】
矢野健一立命館大特別任用教授(考古学)の話
琵琶湖は古くから水上交通で使われていたことが分かる。水中にあることで残ったと思われる土器表面の痕跡も大きな発見だ。
