
クマによる人身被害が相次ぐ岩手県は17日、箱わなを50基増設する方針を明らかにした。猟友会に委託して、センサーカメラ50台とセットで現場に設置する。県の担当者は「今年は冬眠せずに年末も出没する可能性があり、設置が12月以降になっても増設する効果がある」とみている。
吹き矢による麻酔でクマを捕獲できる人材の育成にも乗り出す。実践や座学で捕獲方法を学び、さらに4人増やす方針。対象は麻酔を扱える獣医を想定している。
内城仁・県環境生活部副部長は「銃の使用が注目されがちだが、市街地での銃の使用はハードルが高い。麻酔による捕獲は現実的な手法の一つ。ただし、繰り返し街に出てきたり、人に危害を加えたりするクマは、麻酔で眠らせても殺処分する必要がある。ケース・バイ・ケースだ」と話す。
また、クマ捕獲の注意点や被害防止対策をアドバイスするため、民間の鳥獣被害対策の専門家を市町村に派遣する。
県はクマ対策の費用3700万円を盛り込んだ補正予算案を27日開会予定の県議会に提案する。物価高騰対策や中小企業の賃上げ支援策を合わせた補正予算案の総額は82億9700万円。【山田英之】
