
日本の敗戦後も中国で戦いを強いられた旧日本兵たちを追った映画「蟻(あり)の兵隊」(池谷薫監督)の上映会と、池谷監督の講演会(香川大学法学会主催)が26日、高松市幸町の同大学である。一般の人も無料で受講できる。
「蟻の兵隊」は元日本兵の奥村和一さん(2011年に86歳で死去)を主人公としたドキュメンタリー(06年公開)。奥村さんが所属した部隊は上官の命令で第二次世界大戦後も中国に残留させられ、国民党系の軍に合流して中国共産党軍と4年近く戦いを強いられた。共産党軍の捕虜になった奥村さんは1954年に帰国できたが、日本政府に逃亡兵扱いされていた。祖国に見捨てられ、戦後補償の対象になっていないことを知る。
奥村さんらは、軍命の存在を認めようとしない国を相手に2001年に裁判を起こしたものの、05年に敗訴が確定した。
映画では奥村さんらが、残留させられた真相を知ろうと資料や証言者を粘り強く見つけていく姿を映し出す。さらに、国家に捨てられた被害者と、中国人を殺した加害者の両面から奥村さんらを撮影した。
講演会のタイトルは「戦争に行くってどういうこと?~映画『蟻の兵隊』が伝える戦争のリアル」。池谷監督は「戦争とは何か、戦争がいかに人間の理性をはく奪するか。ウクライナ戦争が3年を超え、ガザでもとてつもない悲劇が続いている。日本も例外ではなく、戦争の足音は刻々と近づいている。この映画は今がまさに旬です」と受講を呼びかけている。
開催場所は法学部棟2階の法学部第3講義室。午後2時40分~同5時50分。申し込み不要。問い合わせは、18日以降に同大学石井研究室(087・832・1742)。【佐々木雅彦】
