
ドイツの首都ベルリン市ミッテ区の公有地にある従軍慰安婦の被害を象徴する「少女像」が17日、区によって撤去された。区が9月末までの撤去を要請していたが、設置した韓国系市民団体「コリア協議会」が拒否していた。行政裁判所が今月13日に撤去を命じ、応じない場合は区が強制的に撤去するとしていた。
地元メディアによると、像はミッテ区が委託した業者により17日朝に撤去された。区は「公法に基づいた通常の措置だ」としており、像は「安全な場所」に保管されているという。コリア協議会は交流サイト(SNS)で「私たちは悲しんでいる」と表明した。
コリア協議会は13日の行政裁判所の撤去命令を不服として、高等行政裁判所に上訴したが、16日に棄却された。地元の住宅組合が7月に新たな設置場所として所有地の提供を申し出ていたが協議会は移設を拒否していた。
像は2020年にコリア協議会などによって設置された。当初は期限付きだったが、協議会が永続的な設置を求め、期限を過ぎても設置された状態のままになっていた。日本政府は協議会側に撤去を求めていた。【ベルリン五十嵐朋子】
