
自民党茨城県連は15日の総務会で、2024年の前回衆院選で茨城5区から出馬して落選した元副デジタル相の石川昭政氏(53)=4期=について、次期衆院選の公認候補予定者となる5区支部長に選任しないことを決めた。事実上の候補者差し替えで、県連は党本部に見解を報告し、新しい支部長を公募によって選任したい考え。
石川氏を巡っては、組織が脆弱(ぜいじゃく)で地元とコミュニケーションが取れない、などの声が上がっていた。今年6月に5区内の支部で設立した連絡協議会が「次期衆院選は石川氏では戦えない」とする決議をするなど、候補者を刷新する動きが県連内で高まっていた。
総務会終了後、県連役員や5区内の県議らが県庁で記者会見した。海野透会長は「5区はもともと保守地盤が弱いところではない。熱意のある人が候補として見つかれば、選挙は勝てると思っている」と述べた。
報道陣の取材に応じた石川氏は「(応募しても)私は選ばれないと思う。私を除く公募だと思うので、そこは混乱させたくない」と公募への応募には否定的な考えを示した。
その上で今後について「国政、地方政治、いろいろ選択肢はあると思う」と述べ、無所属で出馬することも排除しないとした。
石川氏は党職員を経て、12年の衆院選で5区から出馬。4期連続で当選したが、小選挙区で勝ったのは17年の衆院選のみで、残る3回は比例復活だった。5選を目指した24年は小選挙区で大差で敗れ、比例復活もできなかった。
4期目には岸田文雄内閣から落選時まで副デジタル相を務めた。また、高市早苗総裁と近く、24年9月の党総裁選では高市氏の選対事務局長を務めた。【鈴木敬子】
