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400年の伝統を次世代へ 新宮司で迎える大津祭 12日本祭


 湖国の秋を彩る大津祭は、きょう11日が宵宮(よみや)、12日に本祭を迎える。約400年の伝統は、782年創建の天孫神社(三重県大津市京町3)の例祭として地域で大切に守られてきた。2025年2月に父・明加寿(あきかず)さん(76)=現名誉宮司=の後を継ぎ宮司に就任した滋賀昭寛(あきひろ)宮司(43)にとっては、就任後初の本祭となる。次世代への継続というミッションを胸に本番を見守る。【岸桂子】

 「小さい頃は(曳山(ひきやま)の)狸山(たぬきやま)(西行桜狸山)に乗っていました。9月に1週間~10日ほどはやしの稽古(けいこ)。本番では山に乗ったら『ちまきほって!』と次々に声をかけられるので、アイドルになった気分でした」。滋賀宮司にとっての大津祭は、楽しい地域のお祭りとして始まった。

 神社の一員として祭りに関わるのは大学卒業後。存在の大きさを体感したのは「新型コロナウイルス禍で2年、曳山巡行が中止された時」と振り返る。「曳山がないと、こんなにも寂しいのだと分かりました」

 もう一つの大きな出来事は2016年、国の重要無形民俗文化財に指定されたのを機に、神社の蔵に保管されていたみこしの渡御(とぎょ)が50年ぶりに復活したことだった。「多くの方にご指導を受けてやってきました。今年は復活から10年目。今後の10年で次世代につなぐ方法を考えねば」と気を引き締める。

 神社のおつとめは大津祭だけではない。神社の氏子区域にはこの十数年でマンションが急増し、環境は変容を続ける。それでも、と滋賀宮司は力を込めた。「県庁など周辺にお勤めで毎日お参りされる方がいます。地域にお住まいの方々から愛される神社であり続けるように努めます」

学生考案キャラの「ちま吉」活躍

 大津祭のPRに一役買っているのが、NPO法人「大津祭曳山連盟」の公式キャラクター「ちま吉」だ。2007年、成安造形大学(大津市仰木の里東4)の学生のデザインで誕生。後進学生によって「ちま吉ファミリー」も次々に生まれ、祭りに浸透した。ちま吉をめぐる取り組みは大学の正規演習になり、19年目の今年も学生11人がさまざまな形で祭りを盛り上げる。

 ちま吉は、ちまきの精霊という設定。三角顔で愛らしい表情をしている。

 今年は、本祭前から中心市街地の活性化にもつなげようと、1カ月にわたるスタンプラリー「ちま吉がとーめい(透明)に!?」が新たに企画された。市内8カ所を回って、モノクロのちま吉に「色」を取り戻す仕掛けだ(12日まで)。

 安福萌々子(ももこ)さん(2年)は長野県出身。演習を選ぶ段階で大津祭を知った。「ちま吉は子どもたちに人気がある。さらに広げるにはどうすればいいかを3人のグループで検討しました」と話す。

 中央大通り沿いに設置される「ちま吉センター」では、学生がデザインした缶バッチなど約70品目の関連グッズを販売する。今年の新商品15点のうち注目は、天孫神社のご祈とうを経た疫病退散ステッカー(200円)と箔(はく)でちま吉などをあしらったアクリル製のお守り(900円)だ。お守りは天孫神社を介して民間企業からの声かけで始動。宗教に関わるグッズとあって、担当した谷口千洋さん(2年)と長野達史さん(同)は、関係者と入念な話し合いを続けたという。完成したお守りを手にした谷口さんは「多くの方々が誇りを持っておられる祭りに関わる責任を感じました」と、充実した表情を浮かべた。

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