
パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘は、7日で2年が経過した。
ガザ側では死者が6万7000人を超える一方、イスラエル側の人質48人も拘束されたままだ。ガザだけでなく、イスラエルの市民も苦難の2年間を振り返り、6日に始まった和平交渉に希望を見いだそうとしている。
2023年10月のハマスの越境攻撃で、100人以上が殺害されたイスラエル南部の村、ベエリでは6日、追悼式典が開かれた。一部の住民は今も、人質としてガザに拘束されている。地元メディアによると、コミュニティー・マネジャーのオフェル・ギタイ氏は「2年前の10月7日まで、当たり前のように一緒に喜びを分かち合えた人が、今もいない」と嘆いた。
ハマスは越境攻撃後、多くのイスラエル人らを拉致。今年1~3月の一時停戦では、33人が引き渡されたが、その後、人質の返還は進んでいない。ガザに残る人質48人のうち、約20人は生存しているとみられるが、ハマスは8月、極度に痩せた人質の映像を公開し、イスラエル社会に衝撃を与えた。
イスラエルでは、政府が戦闘継続にこだわる一方、市民には「戦闘疲れ」が広がっている。地元メディアの世論調査では、7割以上が人質解放と引き換えに終戦を望んでいる。
エルサレムにあるネタニヤフ首相の私邸前には6日夜、数十人が集まり、早期の人質解放を訴えた。ジュリアン・ズッカーさん(27)は「和平交渉の先行きが不透明で、とても苦しい時期だが、何とか合意をしてほしい」と願った。【エルサレム松岡大地】
