
1977年に北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(行方不明時13歳)が5日に61歳の誕生日を迎えるのを前に、母早紀江さん(89)が2日、川崎市で報道陣の取材に応じた。再会を果たせぬままの愛娘に「今でも必ず生きて取り返してもらえると信じている。元気で、くじけないで頑張ってね」とメッセージを送った。
早紀江さんはこの日、めぐみさんが大好きだった「びりっかすの子ねこ」の絵本を持参した。
めぐみさんはお気に入りの絵本が7冊ほどあったが、これが特にお気に入りだった。幼稚園に入る前の頃は、いつも大事そうに抱きかかえ、家事をしている早紀江さんのそばで「ママまだ?」と何度も読み聞かせをせがんだ。
母子でふすまにもたれて並び、足を投げ出して読み聞かせをした思い出は今も色あせない。「めぐみちゃんにも、どこのご家庭でもあるような懐かしい思い出がある。お母さんは絶対忘れない」と話す。
めぐみさんが突然北朝鮮に連れ去られてから50年近くがたとうとしているが、拉致問題の解決への道筋は見えない。早紀江さんは「なんとか力を出して頑張りたい」と語りつつ、「みじんも動かない。こんな大変なことをなぜ解決できないのか」と政府などに対する憤りを口にした。
1年前に就任した石破茂首相が辞任を表明し、4日には自民党総裁選の投開票日を控える。だが各候補から拉致問題への積極的な発言は聞こえてこない。
早紀江さんは「どうすれば突破口が開かれるのか分からない。やっぱり日朝会談をして、けんかしてもいいから本音を話してほしい。そうしないと動かない」と訴えた。
そのうえで「誰が突破口を開いてくださるのか。(立候補している)5人でどなたが総理になるのかは分からないが、日本のために動いてもらいたい」と一日も早い解決を求めた。【木下翔太郎】
