
米連邦政府は1日、連邦議会で予算審議が不調に終わったため、一部政府機関の閉鎖に入った。政府職員は緊急性の高い職場以外は自宅待機となり、経済関係の統計なども公表停止になる。長期化すれば、社会や経済の深刻な混乱が予想される。
1日以降の政府予算案が、米東部時間の1日午前0時(日本時間同日午後1時)までに成立しなかった。閉鎖は第1次トランプ政権下の2018年12月~19年1月の35日間以来となる。
与党・共和党は上下両院で多数派を占める。ただ上院(定数100)で予算案を成立させるためには議事妨害(フィリバスター)を阻止できる60票を確保する必要があり、野党・民主党の一部議員からの協力が必要だ。両党は10月以降の当面の運営資金を賄う「つなぎ予算案」を審議してきた。
上院では30日夜も政府閉鎖を避けようと、一度否決された予算案について再び審議を行った。ただ民主党指導部は、年末で期限切れとなる医療費助成の延長などを求めて徹底抗戦し、妥協が成立しなかった。
連邦議会予算局によると、自宅待機の職員は約75万人に及ぶ可能性がある。ロイター通信によると、米内国歳入庁(IRS)は最初の5営業日は業務を継続するが、その後は不透明だ。外国要人の訪問受け入れも原則中止となる。雇用や経済に関する政府統計は公表が停止される。
一方で、米軍兵士は勤務を続け、国境警備や税関でも多くの職員が勤務を継続する。郵便もサービスを継続し、年金や社会保障の給付金も支払いは続く。
トランプ政権は政府閉鎖に追い込まれた場合には出勤しなくなった職員の一部をそのまま解雇し、政府機能を縮小する意向を表明している。ホワイトハウスは30日の上院での予算案否決後、各政府機関に「秩序ある閉鎖に向けた計画の実行」を指示した。
与野党対立が深まる連邦議会では例年、9月末までに新年度の本予算を成立させるのが困難となっており、数カ月単位のつなぎ予算で当面の資金を賄うのが常態化している。
採決後の記者会見で、共和党上院トップのスーン院内総務は「上院民主党は党派的な利益のために米国人を犠牲にした」、民主党上院トップのシューマー院内総務は「共和党が米国民を政府閉鎖に突き落とした」と述べ、非難の応酬を繰り広げた。【ワシントン金寿英】
