
総務省が発表した2024年度の自治体別ふるさと納税額で、兵庫県と県内市町の合計は582億4673万円となり、過去最高だった前年度のほぼ2倍となった。宝塚市で今年1月、元会社役員夫妻が市立病院建て替えなどの費用として計約254億円を寄付したことが要因。都道府県別でも北海道、宮崎県に次ぐ3位に浮上した。【稲生陽】
県内の市町別では、宝塚市が約256億円で全国でもトップ。16年度から首位を続けていた加西市(約54億円)が次点に入り、神戸市(約47億円)▽淡路市(約42億円)▽南あわじ市(約23億円)――と上位は例年と同じ顔ぶれとなった。
加西市は15年に発売した地元家電製品の返礼品が人気を呼んだことに加え、交流人口の増加や移住へのきっかけとして制度振興に力を入れてきた。特に新型コロナウイルスの感染拡大で「巣ごもり需要」が増えた19年度末以降は寄付額が急増。ピークの21年度は約64億円と、次点だった神戸市の4倍になった。神戸市や淡路市もコロナ禍以降は寄付額が急激に伸びており、毎年過去最多を更新している。
工夫しがいある
ふるさと納税は自分が選んだ自治体に寄付した場合に、2000円を超えた分が翌年度の所得税と住民税から差し引かれる。住んでいる自治体以外の寄付では返礼品が認められている。
総務省によると24年中のふるさと納税で25年度に県民税約139億円、市町村民税約272億円が差し引かれる。その分は地方交付税で穴埋めされる仕組みがあるが、差し引き分の75%にとどまる。寄付が多ければ黒字にできる可能性もあるが、返礼品の調達や仲介費用の支出もあり、収支が黒字にならない自治体も多い。県の場合だと、24年度の赤字額は約30億円に上る。
人口約4万1000人で、税収の減り幅も小さい加西市の担当者は「都市部に加西という名前を知ってもらえるチャンスは少なく、我々小さな自治体にとっては工夫しがいのある制度。寄付額の半分は返礼費用だが、地元産業に直接還元でき、返礼品作りのため関わっていけるのはうれしい」と話す。
