
15日は敬老の日。山形県内で暮らす「100歳」の夫婦2組を訪ね、長寿や夫婦円満の秘訣(ひけつ)を聞いた。結婚生活78年の両夫婦。言葉では多くを語らないが、そこには長年、苦楽を共に生き、2人で築き上げた絆があった。【竹内幹】
95歳まで二人三脚でサクランボなど栽培
「これまでよく支えてくれた」。東根市で暮らす101歳(数えで102歳)の水上(すいじょう)丈夫さんは99歳(同100歳)の妻さきのさんの肩をそっと抱き、語りかけた。
1924(大正13)年生まれの丈夫さんと、26(大正15)年生まれのさきのさん。近所で同じ小学校に通っていた2人は終戦後の47(昭和22)年に結婚した。丈夫さんはコメ作りと乳牛の飼育などに従事しながら、50歳から5期20年、東根市の市議を務め上げた。その後もサクランボやモモ栽培を95歳まで妻と二人三脚で続けていた。
2人の子供、5人の孫、10人のひ孫に恵まれた水上さん夫婦。現在は長男の妻由美子さん(71)と一緒に生活している。近所の人たちと、椅子を使って手足を動かす「いきいき百歳体操」をしたり、雑談をしたりして穏やかな日々を送っている。毎週、訪れる孫やひ孫と一緒に食事をすることが生きがいだ。「たとえ認知症や寝たきり状態になっても、周りの皆様の力を借りて、住み慣れた自宅や地域で自由に過ごしてほしい」と由美子さんは願う。
現在、さきのさんは庭で作物を眺めたり、草取りをしたりするのが日課。丈夫さんは毎日晩酌をして、早寝早起きすることが元気の源だという。丈夫さんの母キヨさんも数えで100歳まで生きた。これまで多くの人たちと出会ったことを感謝する丈夫さんは「これからは生きるだけ生きていきたい」と笑顔を見せた。
「夫婦げんか、したことない」
23日の誕生日で99歳となる山形市の金子栄作さん(数えは100歳)は11日、自宅に訪れた佐藤孝弘市長からお祝いの目録を受け取った。
栄作さんは26(大正15)年生まれ。27(昭和2)年生まれの妻よしのさん(98)も来年、数えで100歳になる。結婚から78年、3人の子供、9人の孫、10人のひ孫に恵まれた金子さん夫婦。現在は長女夫婦ら4世代、8人で暮らしている。
代々コメ作り農家だった金子さんは、長寿の秘訣は意外にも何もないと語る。ただ「絶対、おてんとう様のことを忘れてはいけない。出された食べ物はきれいに食べ、手を合わせて『ありがとさま』としなさい」と育ててくれた母の教えを守ってきた。その言葉には自然への感謝があふれていた。今は家族そろってご飯を食べるのが何よりも楽しみだと話す。
夫婦げんかをしたことは一度もないという。「俺を指導してきたのは、ばあちゃん(よしのさん)。ばあちゃんが俺のところに来てから、俺は立派になった」と妻への感謝を忘れない栄作さん。「これまで二人で力を合わせてきた。死ぬ時は一緒だ」と語り、夫婦愛の強さを見せた。
全国の100歳以上、最多に
厚生労働省によると、全国の100歳以上の高齢者は9万9763人(9月1日現在)で、統計を取り始めた1963年以降で最多となった。都道府県別では、山形県は昨年より74人多い1199人だった。人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は山形県(118・60人、全国12位)が東北トップとなり、岩手県(112・14人、同17位)▽秋田県(107・25人、同21位)▽福島県(102・93人、同25位)▽青森県(82・32人、同35位)▽宮城県(81・32人、同36位)――と続いた。
