
ストーカー被害を訴えていた川崎市の岡崎彩咲陽(あさひ)さん(当時20歳)が殺害された事件で、神奈川県警の43人(肩書はいずれも当時、退職者を含む)が処分を受けた。岡崎さん側は長期間にわたって県警に繰り返し相談し、署や県警本部の多数の警察官が関わったため、異例の大量処分に発展した。
懲戒処分を受けたのは、担当した川崎臨港署の5人。生活安全課長の50代警部が減給10分の1(1カ月)で最も重かった。署の人身安全事案の責任者だったが、ストーカー規制法違反容疑などで捜査を開始しなかったとされた。石崎弘志郎署長▽副署長の50代警視▽生活安全課の40代警部補▽刑事課の40代警部補――の4人は戒告となった。
他の38人は、内規に基づく「監督上の措置」や注意など。本部では、和田薫本部長が警察庁から口頭厳重注意を受けたほか、刑事部長▽生活安全部長▽人身安全対策課長(当時と現在の2人)――らも対象となった。
4日に記者会見した和田本部長は「最高責任者としてこのような事態を招いた責任を痛感している」と謝罪。「検証で明らかとなった問題点を一人一人が深く胸に刻み、被害者の安全確保を最優先とした迅速かつ的確な対処が徹底されるよう、一丸となって取り組んでいく」と語った。
和田本部長は、3日に遺族と面会して謝罪したという。ただ、県警の対応と岡崎さんが死亡したことの関連については「因果関係を一概に申し上げることは困難」と述べるにとどめた。
一方、警察庁の楠芳伸長官は4日の定例記者会見で「都道府県警で本部長のリーダーシップのもと、実効性ある再発防止策が講じられるよう指導を強化する」と述べた。
神奈川県警の対応については「警察庁の通達などで定められた基本から逸脱する不十分、不適切な点があり、必要な措置を講ずる機会を逸した」と指摘。都道府県警の取り組みが通達に沿っているかなどの実施状況を確認していく考えを示した。【横見知佳、宮本麻由、山崎征克】
