
相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者や職員45人が殺傷された事件は26日、発生から9年を迎えた。園では県などが主催する追悼式が開かれ、遺族や園の利用者85人が参列。犠牲者に黙とうをささげ、冥福を祈った。
黒岩祐治知事は式辞で「犯人は『ちゃんとした会話ができない人間は生きている意味がない』という考えだったが、これは自分勝手で、でたらめで、完全に間違ったもの。そのことを私たちは決して忘れてはならない」と述べ、悲惨な事件を二度と繰り返さないと誓った。
津久井やまゆり園の永井清光園長は、利用者から犠牲者に宛てた言葉を代読。「さみしいです。元気で頑張っていくので見守っていてください」「毎年お花あげるね」などとメッセージが伝えられた。永井園長は「どうか天国から、みんなのことをお守りください」と述べた。
園内にある「鎮魂のモニュメント」には多くの人が訪れて献花をした。2007年から11年まで園に介護福祉士として勤めた原田隆彦さん(48)は、亡くなった19人のうち18人の利用者と生前接していた。花を手向けながら「久しぶり。そっちで元気にやってるか?」と心の中で語りかけたという。「9年たっても、みんなの顔は忘れたくない」と思いをはせた。
弟に重度の知的障害がある都内の大学院生、李光平さん(29)は、毎年追悼式に足を運んでいるという。犠牲者を悼む一方で「最近は差別や偏見を言いやすい雰囲気の世の中になってきている」と危機感を示した。
園の近くに約30年住む60代女性は、今回初めて園を訪れた。園を出入りする利用者をよく見かけていただけに「事件の重みに耐えられるまで9年かかった」という。「つらいが、今日は事件を思い出したい」と話し、手を合わせた。【宮本麻由、矢野大輝】
