ヘレン・ケラーが函館で触れた神社・仏閣の模型 市指定文化財に

　北海道函館市は北海道函館盲学校が所有する「ヘレン・ケラーが函館盲唖（もうあ）院で触れた社寺模型」を、市指定有形文化財（歴史資料）に指定した。

　函館盲学校は1895（明治28）年に函館訓盲会として創設された。ヘレン・ケラーは1937（昭和12）年6月、函館盲学校の前身の函館盲唖院を訪問。教員が教具として製作した神社・仏閣を通して日本文化を紹介され、神社は「寂しい感じ」、お寺は「明るい感じ」と感想を述べたという。

　神社・仏閣の模型は、それぞれ縦120センチ、横90センチの木製で、常設展示されている。同校は9月30日に授業や視覚補助具、点字教科書などを展示する学校公開を開催する。瘧師（ぎゃくし）輝幸校長は「創立130周年の年に指定文化財に選ばれたのは喜ばしい。学校公開でたくさんの方に模型を見てもらいたい」としている。

　函館市指定文化財への指定は7月23日付。市教育委員会生涯学習部文化財課は「ヘレン・ケラーの来函は、函館の教育史の中でも特筆すべき事柄。函館の特別支援教育の息吹を伝える歴史的教具で学術的にも貴重な資料」としている。【三沢邦彦】