
参院選比例代表(改選議席数50)で、社民党から出馬したタレントのラサール石井氏(69)の初当選が確実となった。社民党としても改選の1議席を守り、政党要件を維持した。
ラサール石井氏は「コント赤信号」のメンバーとして知られ、テレビアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主人公である両津勘吉の声を務めた。
社民党は今回の選挙で3人以上当選させるか、全国で得票率が2%に達しなければ公職選挙法上の政党要件を満たせず、国政政党の地位から陥落する恐れがあった。
福島瑞穂党首は「党の存亡を懸けた戦い」と位置づけ、知名度の高いラサール石井氏に出馬を要請した。
ラサール石井氏は「護憲や平和、労働問題を考える社民が(政党で)なくなると、国のたがが外れてしまう」として5月に入党していた。
政策については物価高の影響で若者が結婚や出産に不安を抱えているなどとして消費税廃止を主張。「社民党は食品消費税をゼロにすると言っているが、僕自身は消費税の廃止」と強く訴えた。
さらに社会保険料を半額に、最低賃金を全国一律1500円以上にすることなどをアピールし、経済政策に力を入れるとした。【森田采花】